梅雨入り直前の6月7日、静岡県裾野市の裾野市文化センターにNPO法人機能性素材研究会より病院薬剤師根津良幸先生をお迎えして「機能性素材の免疫と健康」と題しての講演会が開催されました。
病院勤務の中、伊豆下田まで指導に行かれて多忙な先生ですが、梅雨時は気候の変化で体調を崩しやすいから、体調管理を充分にと笑顔で前置きされて講演が始まりました。
動脈硬化はどうして起こるの?
糖尿病で高血糖が続くと糖が血管壁に付着し活性酸素が発生、その結果血管壁が障害され、修復するため血小板が血栓になり、血管の内側を狭くしたり、塞いだりする事から合併症になります。脳梗塞、心筋梗塞だけでなく、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、腎硬化症なども合併症のひとつです。
免疫について少しくわしく
免疫細胞には自然免疫系、獲得免疫系とがあり、日内変動します。(細胞によって活動する時間が違う)例えば、夜(23時~7時)にはB細胞(抗体)、T細胞(司令塔)、午前中(7時~12時)にはNK細胞(ナチュラルキラー細胞)、K細胞などが働きます。
がんに対しても、自然免疫系の好中球、NK細胞が攻撃、破壊を獲得免疫系の多数の兵隊リンパ球(細胞性免疫)が集中攻撃するという、それぞれの免疫サイクルでがんをやっつけます。
以下の2枚の画像は初めて見た方にはとても印象的で、体の中で免疫細胞がいかに効率よく働いてくれているかが良く理解出来ました。
根治療とは?
病気の根源から治療を行うものです。私達の体の老化で変わっていくさまざまな機能低下には、対処療法だけでなく、自然治癒力を高める根治療が大切です。あの有名なシュバイツァー博士も「内なるドクター(自然治癒力)に働くチャンスを与えよう」と訴えています。
薬の問題点
薬の問題点として副作用、飲み合わせ、長期投与が挙げられます。
抗血小板療法の動脈血栓の薬(アスピリンなど)には、アナフィラキシーショック、脳、消化管、肺、鼻から出血するなどの重大な副作用があります。
抗凝固療法の静脈血栓の薬(ワーファリン)との飲み合わせで、大出血を起こす事も解ってきました。そんな中でワーファリンに変わる薬として、新規凝固薬(ダビガトラン、プラザキサ®)などの新薬が注目されてきました。まず、繰り返しの濃度計算や納豆、緑黄色野菜などの摂取制限などの煩わしさがない事が大きな理由かと思われます。
また高脂血症薬のスタチン系の薬は、横紋筋融解症という骨格筋が壊死するために筋肉痛のような痛みが出る副作用があり、話題になっています。
機能性素材には
エビデンス(臨床データ)のある素材を商品化した機能性食品を、参考資料に添って丁寧に説明して頂きました。
例として「ロコモ(※)」についてですが、この「ロコモ」対策として、米国で行われたグルコサミン、コンドロイチンの関節炎の臨床試験の結果には説得力がありました。又、コンドロイチンが眼精疲労、老眼、視力低下、白内障に効果的なことも講演会後に話題になっていました。
(※ ロコモ: ロコモとは「ロコモティブシンドローム」と言い、骨量低下、関節軟骨、椎間板のすり減り、筋肉、神経活動の減少によって運動器の働きが衰え、歩けない、立ち上がれないなど、要介護、要支援のリスクが高くなる状態をいう)
要介護、要支援対策に適した機能性食品を上手に活用しPPKを目指しましょう!
病気は突然やってくる。でも病気になっても諦めない!まだ間に合います!
(文: 松本 秀美)
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