10月13日(日)、長野県長野市のホクト文化ホール(長野県民文化会館)に、NPO法人機能性素材研究会より東邦大学薬学部教授の柳川忠二先生をお招きして、健康セミナー免疫
と健康 「健康食品―その役割と方向性(エビデンスを基に)」が開催されました。
3連休の真ん中の日にも関わらず、多くの方にお集まりいただき、長野での久し振りの健康セミナーとなりました。
医薬分業は世界の常識です
まずは世界的な情報、知識の豊富な柳川先生の持論からスタートしました。
「先進国家で医師が薬剤師より挌上であるとされるのは日本だけですよ!」と始められました。日本では医師がどの薬を出すかを決めますが、世界常識ではそれは薬剤師の権限です。本格的な薬の勉強をしていない医師が薬を決めている、日本のおかしな現状を指摘、先生の自負をひしひしと感じました。
免疫システムとは
次いで、身体の防御の仕組みが説明されました。皮膚や粘膜を始めとして自然免疫、体液免疫等、何層にも備えられていること、免疫に重要な役割を果たすリンパ系の仕組みと役割について、そしてマクロファージやナチュラルキラー細胞に代表される先天性免疫と、リンパ球や抗体等の獲得免疫の説明がされました。
科学的根拠に基づいているか
健康食品の一般的な問題点が示されました。消費者は個人的な体験談や断片的な情報のみで購入している場合が多い。健康に関する機能表示は、食品といえども 薬事法によって厳しく規制されているので、そこをしっかりと見極めること、そして科学的根拠(エビデンス)に基づく食品を選ぶことが大切であると納得のい く説明でした。
科学的根拠に基づいている食品とは
LEM(シイタケ菌糸体エキス)は、2003年2月のマサチューセッツ大学が出版した「テクノロジー・レビュー」で、世界を変える10の技術のひとつとして評価されています。LEMは発酵食品であり、他のキノコ製品とは大きく一線を画しています。
サメヒレ軟骨抽出のコンドロイチン硫酸は2,200人に対するデータから、薬では効果の出にくい不定愁訴に大きな効果が期待できます。
ホスファチジルセリンは、FDA(アメリカ食品医薬品局)が、「認識機能の不全、または痴呆リスク」の軽減効果を、2003年5月に承認しています。
これらの機能性素材は、確固とした科学的根拠のある食品です。
このような内容で、穏やかな口調の中にも現状に対する、鋭い切り口を随所に盛り込んだ講演会が、好評の内に終了となりました。
(文:滝川彰)
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