9月29日(日)、栃木県小山市の小山パレスホテル富士の間にて、機能性素材研究会の宮城大学食産業学部教授、西川正純先生をお招きして健康セミナー『健康でポジティブに生きるための機能性素材について~ロコモティブシンドロームの膝痛・腰痛対策としてのコンドロイチン~』が開催されました。
以下、講演の要旨をご紹介させて頂きます。
ロコモティブシンドロームとは?
筋肉・関節・骨などの運動器官の障害によって、日常生活で人や道具の助けが必要な状態(要介護支援)、またはその一歩前の状態を言います。超高齢化社会を迎えようとしている日本では、大きな問題となります。
介護支援が必要となった原因で、約20%を占めての1位は関節疾患です。
特に、男性に比して女性では高齢期の骨量の減少が著しいため、対策が必要となってきます。
薬剤に頼らず体にやさしい機能性素材で!
膝痛の治療薬として消炎鎮痛剤と関節内注入薬がよく使われている。消炎鎮痛薬(抗炎症薬)のステロイド製薬は長期間服用での副作用の問題から非ステロイ ド製薬が使われるが胃炎などによる胸やけや食欲不振などの副作用がある。またヒアルロン酸の注射後の感染症も報告されていることから、副作用のない機能性 素材としてコンドロイチン硫酸やグルコサミンが注目されている。
コンドロイチン硫酸とグルコサミンの併用が最適
関節の病気になると関節のコンドロイチン硫酸が減るという相関関係のデータがあります。関節痛になると関節液中にあるサメ軟骨に多いコンドロイチン硫酸Cが減ります。
コンドロイチン硫酸は関節軟骨に原料を補給すると共に、軟骨破壊を抑制することがデータをもとに証明されています。アメリカNIHの臨床試験では、コンドロイチン硫酸とグルコサミンの併用は、セレコキシブという薬より関節炎の改善患者数が多かったというデータがあります。
コンドロイチン硫酸とグルコサミンを一緒に摂ることにより、安心安全に関節痛を和らげることが出来ます。
食品用コンドロイチン硫酸(コンドロイチン硫酸+ペプチド)の特徴は
先生が長年研究されている食品用コンドロイチン硫酸の特徴です。
- 良質なサメヒレのみを原料としているので味が良い
- コンドロイチン硫酸Cが多いので、膝痛・腰痛等の関節痛の良く効き、免疫機能・炎症も改善する。
- 2型コラーゲン(ペプチド)を多く含むので、皮膚を瑞々しく保つ。
- 血液中の尿酸値を下げ、痛風の予防に役立つ
- 眼の機能やダイエットにも役立つ。
- 神経再生による認知症の治療に新たな期待が持たれている。
DHA(ドコサヘキサエン酸)について
バイオソフトに含まれる、DHAはマイワシ、サンマ、カツオ、マグロなどにあり、牛・豚や大豆等の植物油には全く含まれていないものです。
DHAは血中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、さらに血圧を調節することによって、生活習慣病にかかりにくくする働きがあります。
また、最近の報告では骨強化作用や関節リウマチ症状の緩和作用も明らかになっています。
魚介類消費量の多さと平均寿命の長さの相関関係を、世界各国の統計から示し、日本は長寿国で世界的に有名ですが、2008年に魚介類消費量と肉類消費量の逆転が起こり、今後の動向が注目されているとのことでした。
現役教授の楽しい講演
医学博士・薬学博士としての知識に基づく講演で大変勉強になりました。また講演中にコーヒーブレイクとして、「血液型の話」や「赤色にまつわる話」などで疲れを解きほぐしながら、眠気を吹き飛ばして頂きました。さすが、いつも現役の学生相手に授業をされている先生ならではの、楽しい講演でした。
(文:滝川彰)
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