安中セミナーが開催されました (講師:東邦大学薬学部 柳川教授)

厳しい暑さの残る9月1日(日)、群馬県安中市の松井田庁舎において、NPO法人機能性素材研究会より、東邦大学薬学部教授の柳川忠二先生をお迎えして健康セミナーが開催されました。

会場には60名を超える方々が詰めかけて、普段は聞くことの出来ない大学教授の講演に耳を傾けていました。

以下はその内容をまとめたものです。

冷えは万病の元

 

まず、体温別にみる身体の症状の説明がありました。37.0℃で免疫力が最大になるということです。36.5℃で免疫力が上がり病気になりずらくなります。

36.0℃では身体が震えだし、アレルギー疾患になりやすく症状も出やすくなります。

35.5℃では排泄機能が低下し、自律神経の失調を起こし体調不良が起きます。

冷えには心の冷えと身体の冷えの二つがあると考えられます。その冷えの原因には心のストレス、身体のストレス、食生活の乱れ、運動不足、睡眠不足などがあります。

心のストレスにより身体の免疫力が低下することで、ガンになるということが常識のように言われるようになりました。

冷えをコントロールするのは自律神経のバランスです。交感神経は心身を緊張させて体温を下げます。副交感神経を優位にすると心をリラックスさせて血流が改善し、体温が上がります。

 

医学的冷えの概念

冷えは東洋医学の概念であり、西洋医学ではとらえていません。

東洋医学はバランスを重視します。「陰と陽」「虚と実」「表と裏」「熱と寒」の一方に偏らないことが重要で、身体の本質的力を補うことを医学の基礎としています。

従って、悪寒がする時は暖める薬を処方します。これに対して西洋医学では、対症療法を選択しますので、悪寒がする場合は解熱剤を処方します。

薬、その副作用とは

副作用とは医薬の一定の作用を利用して治療しようとする時、それに伴って治療の目的に沿わないか、または生体に不都合な作用が起きること、またその作用をいいます。

副作用は身体が薬を拒否している現われなので、早く察知して除去してあげることが必要です。基本として「薬は化学物質で、本来身体が必要としているものではない」ということです。そして、薬を必要としている場所以外には不必要であり、時に反応は有害でもあります。

また、化学物質である薬の作用は全ての人で違った結果となります。

医師が全てを見抜いてくれると思わないで、全ての変化を話すことが重要となります。

自分の身体に関しては、自分自身が主治医であることを強く認識することが、大切なことになります。

個人相談風景
個人相談風景

まとめ

健康保持に大切なのは、まず身体を温めて体温を上昇させることが重要です。

それは日頃のちょっとした心がけが大切で、湯たんぽ、蒸しタオル、指組み、指もみ、手洗いなどです。また生活の一部に自分に合ったリラクゼーションを取り入れて、副交感神経を優位にさせることが必要です。

多くの人が飲んでいる薬に関しては、化学物質であることをしっかりと認識して、副作用と思われる自分の身体の変化に気をつけることが肝要です。

自分の身体の主治医は、自分自身であることを忘れずに生活することが大切です。

(文:滝川 彰)